ゼロからはじめる婚活入門(婚活.香川県.婚活パーティ.結婚相談所)

新郎新婦　義父の病院へ


結婚を気持ちよく許してくれた義父は精密検査の結果、
前立腺がんであることがわかった。

すぐに手術の必要があり、上京することになった。

僕達の結婚式の日が手術のすぐ後だったので、義父は
残念ながら出席できなくなってしまった。

媒酌人のアイデアで、新婦のドレスを一目見てもらうために、
結婚式後、披露宴の前にタクシーで病院へむかうことにした。

病院側もまったく前例がないことだったが、事情を説明すると
許可してくれた。

ところが、高速道路が大渋滞で予定よりも１時間も遅れて病院
へ到着。

病院の廊下を小走りに病室へ向かう途中で、患者さんみんなが
何事かとﾋﾞｯｸﾘしていた。

やっとの思いで病室に着いたが、このことは義父に内緒にして
いたので、最初は何がおこったのか理解できない様子だった。

新婦と写真とり、私が結婚式が無事終了したことを報告した。
その時もまだ心ここにあらずのような状態だった。病室の窓越
しにはたくさんの人が集まっていて僕達を祝福してくれた。

披露宴の開始時間はとっくに過ぎていたので、心残りだったが、
義父を残し会場へともどった。

披露宴は結局１時間遅れでスタート。化粧品会社の社長やプロ
ダクションの専務、上司、友人、親戚はずっとまっていてくれた。

披露宴は、劇団の仲間などの余興でおおいに盛り上がりなんと
１時間も押してしまった。

予定していた２次会はなんと２時間も遅れて到着。ここでも三船の
関係者がずっと首を長くしてべろべろになって待っていてくれた。

最後はお返しにビールを新郎新婦浴びせられびしょぬれで新居へ
戻った。

あわただしく、緊張と感動の長い１日が終わった。

みんなに迷惑をかけて申し訳なかったが、義父に末娘の花嫁姿を
見せてよかったと思っている。

義父は二ヵ月後に天国へと召された。これからやっと自分のために
生きることができたはずなのに．．．

でも、子供と家族をしつかりと守った一点の後悔もない素晴らしい人生
だった。